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ヘラクレスの栄光4(SFC、データイースト、1994)
■ストーリー■
 主人公は、犬だった。
 戸惑う主人公(というかプレイヤー)の前に運命を司る3姉妹の1人、アトロポス・モイライが現われ、彼の記憶を呼び起こす。
 平和なアトランティスでも一番の剣の使い手である主人公は、友人のプラトンとエピファーとともにアールモア先生の授業を受けた後、外壁に登り、楽しいひと時を過ごしていた。だが、突然の轟音とともに、ギリシア軍が攻めてくる。次々と倒れていく友人たち。一度だけ命を救い、去っていくヘラクレスと名のる男。辿り着いた先で、主人公とプラトンはアールモアに昏倒させられ、大きなオリハルコンの箱に閉じ込められる。
 身体はないが死んでいない、そんな中途半端状態の主人公を呼び出して、モイライは、このままでは全人類の運命の糸が途切れてしまう、その理由を突き止めてくれ、と頼む。
 トランスファーという能力を与えられた主人公は、とりあえず犬の姿のまま、旅に出るのだった。
■特徴■
 トランスファー・システム。会話した時に画面が光った相手(波長が合った相手)には自由に乗り移れる。能力や技が乗り移った相手によって変わる。FFのジョブチェンジに近いが、特定キャラクターに乗り移って話すとイベントが起きたりセリフが変わったり、小技が効いている。
 あとは、セリフ書き換え、パンニング・ビューなどか。グラフィックや戦闘なテンポなど、前作に比べ満遍なくレベルアップし、バランスが取れている感じ。そのかわり、テンポがよい分ストーリーがやや短め?
■感想■
 前作ほどのインパクトはないが、秀逸。個人的には、ストーリーは前作がいいが、全体的にはこちらが最高。
 それに、音楽。前半・後半のフィールド、それに戦闘、悲しい曲、時代を超えるテーマ曲……サントラ欲しかった(汗)。
 ストーリーの話色々。
 アレクサンドリアがあるということは、紀元前4世紀以降の話だっけ?(うろ覚え) とりあえず、アトラスのアレからして、時間の流れは4→3のようだ。しかし、オープニングから9000年も流れるRPGもそうそうあるまい……エピファーも凄いが、神とはいえ、石になってたヘラクレスも待ちすぎですな。「待つのは慣れた」って……いう割りに、今作では短気な感じです。
 蛇足。プラトンがなぜここに出てくるかというと、彼の著書にアトランティスが登場するから。彼が、エジプトの神官から聞いたという話、それがアトランティスの話だ。ちなみに、アトランティスはジブラルタル海峡の先、ヘラクレスの柱と呼ばれるものの向こうにあったという。
■萌え■
 ディアリの母親思いぶりと不幸ぶりに萌え。ヒロイン以外でパーティーに入る女性キャラクター、それも少女ってのは初めて? なんか、いつもと違うキャラクター性を感じた。
 あと、ヘラクレス。もはやこの人がいなければ始まらない。今回はオープニングでチラッと出て、つかみはOK(笑)。性格が突っ走りぎみなのは、前作より前の話だからこそ、らしい。いや、9000年も石になってるだけだから成長しないんだよ(酷)。でも、アトランティス人虐殺したギリシア軍についてきちゃったんだし、3ほどではないが、思えば結構暗い話だよな。当時は当然3やってヘラクレスも知ってるし何も思わんかったけど、「殴りたければ殴れ」って、主人公の心境ならそりゃ殴るわさ。3よりものを考えてなさそう(さらに酷)だが、称号(?)が「悩める英雄」になったのもちょっと納得。あと、人間と、人間を放置&裁こうとする神の、中間管理職の板挟みみたいな(?)。
 しかし、力の封印なしであの能力は……。洞窟潜りする頃には最弱な気が。というか、主人公はともかく、あの父娘は何者ですか。孤島に暮らして、「ちょっと散歩ついでに魔物狩ってくるねー」みたいな、能天気凶悪系の想像ができてしまうんですが。

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